ガラパゴス諸島は123の島と岩礁からなり、1978年にユネスコの世界自然遺産第一号に登録されています。ガラパゴス諸島は500万~10万年前の火山活動によって海上に現れました。ナスカプレートに乗って古い島々は徐々に東へ移動し、新しい火山島が西のホットスポットの上に形成され、現在のような東西に並ぶ島々となりました。
そのため、サンクリストバル島などの東側の古い島々では長い年月で風化した地勢や環境に適応した植物が、フェルナンディナ島などの西側の新しい島々では溶岩流やカルデラ湖など最近の火山活動により形成されたダイナミックな景観が見られます。火山活動は陸だけではなく海底の地形にも影響し、それぞれの島や海に異なる動物達が生息しています。
ここでは個性あふれるガラパゴスの島々をご紹介します。憧れの景観、出会いたい動物が生息する島、ガラパゴス旅行の夢にぴったりな島がきっと見つかるはず。
ガラパゴス諸島で2番目に広く最も人口が多い島。プエルトアヨラの町にはホテルやレストランがある他、ガラパゴスに来たらぜひ訪れたいダーウィン研究所もこのサンタクルス島にあります。
ハイランド保護区にはたくさんの野生のゾウガメが生息し、また海岸線には複数の上陸ポイントがありサンタクルス島周辺だけでも様々な動物を見れるチャンスがあります。
バルトラ空港へのアクセスも近く、日帰り上陸観察ツアーの滞在ホテルがある他、クルーズ船のツアーもこの島を拠点として補給や買出しを行うなど様々な意味でガラパゴス諸島の中心を成す島となっています。
サンタクルス島の主なスポットをご紹介。
ダーウィン研究所があり、ガラパゴス諸島全域において中心的な役割を果たしている町、プエルトアヨラ。
ダーウィン通りにはカフェやレストラン、お土産物屋、ホテルが立ち並んでいます。日本語が使えるネットカフェまで旅の環境が整っています。町ではお土産買えるので現金を持参。
反面、白砂が美しいトゥーガベイまでは徒歩約40分で行くことができ、ガラパゴス諸島内で唯一ガイドを伴わずに野生動物が観察できるスポットでウミイグアナも多く見られます。時間が静止し、ゆったりとした生活が流れる町を散策し過ごしてみるのもおすすめ。アスファルトの道が多いので履物は何でもOK、お土産を買えます。
ダーウィン研究所は入場料無料で、朝6時から夜6時まで開いています。中には小さなビーチもあります。
プエルトアヨラでほぼ確実に見られる動植物:ガラパゴスゾウガメ、ダーウィンフィンチ、リクイグアナ、サボテン類など
プエルトアヨラで見られる可能性の高い動植物:
ロンサム・ジョージ など
注意点:買い物のために現金持参で
ハイランドのゾウガメ保護区では多くのゾウガメに出会えるチャンス。
ナチュラリストガイドがフルーツで餌付けすると、喜んでマンゴーやトマトをかじる姿がかわいい(旅行者は餌を与えることは禁止です)。
また、チャンスがあれば溶岩トンネルや巨大な噴火口などユニークな地形も見学できます。
ハイランド地区は丘にあり、海から来る雲がさしかかるため年中通して降水量が多いのが特徴。
土がぬかるんでいる時にはプラスチックブーツのレンタルもございますが、無いこともありますので、軽いぬかるみを歩く覚悟でご準備を。
雨合羽や折りたたみ傘などのご用意がおすすめです。
ハイランドでほぼ確実に見られる動植物:ガラパゴスゾウガメ、ダーウィンフィンチ、バロサント、スカレシア、など
ハイランドで見られる可能性の高い動植物:ガラパゴスササゴイ、など
船からパンガボート(小船)に乗り込み、静かな湾に入っていくと、美しい一面のマングローブの森が現れます。
ここは多くの鳥たちにとっての憩いの場となっていて、ウミガメなどが見られることも。3種のマングローブ、エイ類、サメ類などをパンガボートから海の営みを観察することができます。
上陸はしないので履物は何でも良いですが、水しぶきがかかることもあるので、濡れても良い服装でご準備を。
ブラックタートルコーブでほぼ確実に見られる動植物:レッドマングローブ、ボタンマングローブ、ブラックマングローブ、アオウミガメ、アオアシカツオドリ、エイ類、サメ類、熱帯魚類など
ブラックタートルコブで見られる可能性の高い動植物:ヨウガンカモメ、ダーウィンフィンチなど
サンタクルス島の北端にて、最近一般に開放されたポイント。
ダーウィン研究所にて成育し、自然回帰したリクイグアナに出会えるチャンス。
リクイグアナは固有種でオレンジイエロー一色を身にまとい、大きい刺状突起を背中に備えています。
塩湖ではオオフラミンゴがいるので驚かさないよう静かに歩きましょう。丘の上からの眺望も人気です。
空港にもアクセス便利な位置にあるので、クルーズの最後に立ち寄ることが多いポイントです。
セロ・ドラゴンでほぼ確実に見られる動植物:リクイグアナ、オオフラミンゴ など
名前の由来は第二次大戦中にここで停泊していた”Barge(将官艇)”がスペイン語語風に訛って付けられたことから。
ビーチの奥にある塩水の湖はカモメやチドリなどの憩いの場となっていて、しばしばオオフラミンゴも見られます。
また、このビーチはシーズンが来るとウミガメが産卵にやってくるので、運が良ければビーチをゆっくりと歩くウミガメたちを見ることもできます。
長く歩き続けることはないので、履物は何でもOKです。
バチャス・ビーチでほぼ確実に見られる動植物:アオウミガメ、ダーウィンフィンチ、アカメカモメ、ガラパゴスアオオオサギ、アオアシカツオドリ、オオフラミンゴ、レッドマングローブ、ウチワサボテン など
バチャス・ビーチで見られる可能性の高い動植物:オオフラミンゴ、エイ類 など
固有植物種のパロサントが茂る美しい景色の続く動物の楽園ノースセイモア島の目玉はグンカンドリ。かなりの確率で間近に大きな赤い袋を膨らませたオスが見られます。
また諸島内では唯一、年間を通して常時グンカンドリが群れで見られる島でもあります。赤くなった喉元は美しく、ガラパゴス諸島の代名詞的存在
常に群れが上空を飛び交っているので、飛行姿を写真に撮るのもさほど難しいことでもありません。
またアオアシカツオドリのコロニーがある他、リクイグアナやアシカなども多く見られ、海岸沿いではウミイグアナ、アカメカモメなども見られます。白砂ビチの景色も美しく人気のポイント。鳥たちがパロサントの木に営巣する姿はノースセイモア島訪問のハイライト。溶岩の上を長い時間歩くことになるので、履き慣れた靴を履いていくことがお薦めです。
サンタクルス島やバルトラ島から近く、ホテルに宿泊してのデイクルーズでも人気の島。ここはほとんどの日が晴れているので、日焼け止めと帽子、サングラスは必需品。
ノースセイモアでほぼ確に実見られる動植物:
オオグンカンドリ、アシカ、アオアシカツオドリ、ダーウィンフィンチ、ウミイグアナ、ウチワサボテン、パロサント など
ノースセイモアで見られる可能の性高い動植物:
マネシツグミ、ヨウガンカモメ、カッショクペリカン、アオメバト、リクイグアナ など
小さなサウス・プラザ島は諸島内で最もリクイグアナが多く棲息する島のひとつで、数多くのリクイグアナやその進化版(ハイブリッド)のイグアナが生息しています。
この種は通常のリクイグアナと違い黒い色をしており、木に登ることができるのが特徴。小さな島内にはサボテンがぎっしり茂り、しばしば彼らがサボテンをかじる姿目にすることも。海沿いではアシカが群れて狩りをする光景や鳥たちの営みも観察することができます。
プエルトアヨラからの日帰りクルーズでも人気の島。一時間もあれば島を一周できるほどの広さしかないが、動物の営みや美しい景色は限られたポイントでご覧いただけます。ちなみにノースプラザ島は自然保護のため現在上陸禁止中。
距離はありませんが多少砂利道であるのとランディングの際滑る可能性があるので、運動靴のご準備がおすすめ。
プラザでほぼ確実に見られる動植物:リクイグアナ、アシカ、アカメカモメ、ウチワサボテン、ウミイグアナ、ハイブリッド種イグアナ など
プラザで見られる可能性の高い動植物:アオアシカツオドリ、ササゴイ、グンカンドリ、カッショクペリカン など
火山活動で形成されたガラパゴス諸島の溶岩地形が顕著に残るバルトロメ島の、スリバンベイの「ピナクルロック」の写真はガラパゴスの代名詞的な景色として有名。
サンタクルス島のホテルから日帰り上陸観察ツアーで行ける距離と、ペンギンが生息する数少ない島のひとつでもあることから旅行者に人気。
■ピナクル・ロック
ドライランディングで上陸して、植生を眺めながら1時間弱の登りハイクで小高い丘の頂上へ出ると、そこに広がる景色はまさに絶景。スリバンベイ・ビーチと溶岩によって生まれたピナクルロック、そして緑色に輝くマングローブの森はガラパゴスでも最も美しい風景の一つ。カメラと歩きやすい靴は絶対に船に置き忘れてこないようにご注意を。シュノーケリングのできるビーチではウェットランディング。ランディングは2パターンあるので事前に確認を。諸島の中でも、赤道に棲むガラパゴスペンギンを見られる可能性が最も高いポイントがここ。水中カメラを持ってペンギンが魚を捕食している写真も撮れるかも。
バルトロメ島でほぼ確実に見られる動植物:ガラパゴスペンギン、ヨウガントカゲ、ティキーリア、ヨウガンサボテン、レッドマングローブ、スカレシア、など
バルトロメ島で見られる可能の性高い動植物:アオウミガメ、ガラパゴスシャーク、アシカ、など
ここでは世界のどこにもいない島固有のリクイグアナが生息している。プラザ島にいるイグアナとは色が異なり少々地味。サイズはあまり大きくはなく、色は灰色っぽいくすんだものから淡い青緑色をしているようなものまで様々。島のハイランド(内陸の高台)の方まで歩いて行くのは少し体力が必要ですが、行く価値は十分にあり。ガラパゴス・ライス・ラット(ねずみ種)もこの島だけでしか見られないハイライトです。
また海中の生物の営みも盛んで、スノーケリングやダイビングも盛ん。ここの海は本当に美しいエメラルドグリーンの色をしています。
サンタクルス島プエルトアヨラにあるホテルからの日帰り上陸観光ツアーでも人気のスポットになっています。
サンタフェ島でほぼ確実に見られる動植物:サンタフェリクイグアナ、ガラパゴスアシカ、アシカ(コロニー)、ジャイアントサボテン、ベニイワガニ、ウチワサボテン、など
サンタフェ島で見られる可能の性高い動植物:グンカンドリ、ガラパゴスノスリ、マンタレイ、ガラパゴスシャーク、など